学校伝染病について

【学校伝染病は、学校保健法および学校保健法施行規則の中で定められた疾病で、学校での幼児・児童・生徒・学生の健康管理を目的としている。
  保育園や幼稚園でもこれに準拠して健康管理がなされている。】

 学校は,感染症が流行しやすい、幼児・児童・生徒・学生の集団生活の場です。そこで、旧・伝染病予防法の下、特に、学校での健康管理について「学校保健法」が、昭和33年(1958年)に制定されています。この学校保健法によって管理を受ける「学校において予防すべき伝染病」のことを学校伝染病と言います。
  平成11年(1999年)4月からの新・感染症法の施行に合わせ、旧・文部省は、学校保健法施行規則の一部改正を行いました。そのため、平成11年(1999年)4月を境に学校伝染病の中身は変わりました。また、学校保健法の大きな改定は行われなかったので、「学校伝染病」は「学校感染症」というふうには名前が変わりませんでした。

出席停止及び臨時休業
  学校での感染症の流行を防ぐために、患者となった生徒の出席を停止させたり、クラス・学校を臨時休業としたりすることがあります。これらの出席停止や臨時休業は学校保健法に基づいて行われるものです。
学校保健法第12条では、「校長は、伝染病にかかっており、かかっておる疑があり、又はかかるおそれのある児童、生徒、学生又は幼児があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができる。」
学校保健法第13条では、「学校の設置者は、伝染病予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。」

保健所と学校との協力
  学校保健法第20条で「学校の設置者は、この法律の規定による健康診断を行おうとする場合その他政令で定める場合においては、保健所と連絡するものとする。」とあるのに対し、学校保健法施行令第10条では「法第20条の政令で定める場合は、次の各号の一に該当する場合とする。 一 法第12条の規定による出席停止が行われたとき。 二 法第13条の規定による学校の休業を行ったとき。」となっています。

学校伝染病の分類
    学校伝染病は、第一種、第二種、第三種の三つに分類されています。第一種、第二種、第三種の疾患名については、学校保健法施行規則に明記されています。

第一種の学校伝染病
  エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱、急性灰白髄炎(ポリオ)、コレラ、細菌性赤痢、ジフテリア、腸チフス、パラチフスです。出席停止の期間の基準は、いずれも、「治癒するまで」です。
  第一種の学校伝染病は、いずれも、感染症法の一類感染症と二類感染症です。なお、平成15年(2003年)11月の感染症法改正施行で感染症法の一類感染症に追加された重症急性呼吸器症候群(病原体がSARSコロナウイルスであるものに限る)および痘そうについては、平成17年(2005年)1月28日の時点では第一種の学校伝染病として学校保健法施行規則に明記されていません。ただし、重症急性呼吸器症候群については、各都道府県教育委員会学校保健主管課長等宛の文部科学省スホーツ・青少年局学校健康教育課長による平成15年4月4日付け通知「ハノイ・香港等における原因不明の「重症急性呼吸器症候群」の集団発生に伴う対応について(通知)」(15ス学健第1号)の中で、重症急性呼吸器症候群についての学校保健法施行規則第20条の出席停止の規定の適用に当たっては、当面、学校保健法施行規則第19条1号に掲げる第一種の学校伝染病と同様に取り扱うものとされています。
  なお、この第一種の学校伝染病および次の第二種の学校伝染病については、以下の場合も、出席停止とすることができるとされています。

@第1種若しくは第2種の学校伝染病患者のある家に居住する者またはこれらの伝染病にかかっている疑いがある者については、予防処置の施行の状況により必要と認めたとき、学校医その他の医師において伝染の恐れがないと認めるまで.

A第1種または第2種の学校伝染病が発生した地域から通学する者については、その発生状況 により必要と認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間。

B第1種または第2種の学校伝染病の流行地を旅行した者については、その状況により必要と 認めたとき、学校医の意見を聞いて適当と認める期間。

第二種の学校伝染病
  放置すれば学校で流行が広がってしまう可能性がある飛沫感染する感染症です。すなわち、インフルエンザ、百日咳、麻疹、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、風疹、水痘(みずぼうそう)、咽頭結膜熱、結核です。出席停止の期間の基準は、以下の通りです。
  インフルエンザは、解熱した後2日を経過するまで出席停止とする。ただし、病状により伝染のおそれがないと認められたときはこの限りではない。

 百日咳は、特有な咳が消失するまで出席停止とする。ただし、病状により伝染のおそれがないと認められたときはこの限りではない。

 麻疹は、発疹に伴う発熱が解熱した後3日を経過するまで出席停止とする。ただし、病状により伝染のおそれがないと認められたときはこの限りではない。(なお合併症の中で最も警戒すべき脳炎は、解熱した後再び高熱をもって発病することがある。)

 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、ムンプス)は、耳下腺の腫脹がある間はウイルスの排泄が多いので、腫脹が消失するまで出席停止とする。ただし、病状により伝染のおそれがないと認められたときはこの限りではない。

 風疹は、紅斑性の発疹が消失するまで出席停止とする。なお、まれに色素沈着することがあるが出席停止の必要はない。

 水痘(みずぼうそう)は、すべての発疹が痂皮化するまで出席停止とする。ただし、病状により伝染のおそれがないと認められたときはこの限りではない。

 咽頭結膜熱は、主要症状が消退した後2日を経過するまで出席停止とする。ただし、病状により伝染のおそれがないと認められたときはこの限りではない。

 結核は、病状により伝染のおそれがないと認められるまで出席停止とする。

第三種の学校伝染病
    飛沫感染が主体ではないが、放置すれば学校で流行が広がってしまう可能性がある感染症です。すなわち、腸管出血性大腸菌感染症、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎およびその他の伝染病です。出席停止の期間の基準は、以下の通りです。
  腸管出血性大腸菌感染症は、有症状者の場合には、医師によって伝染のおそれがないと認められるまで出席停止とする。無症状病原体保有者の場合には出席停止の必要はなく、手洗いの励行等の一般的な予防方法の励行で二次感染は防止できる。

 流行性角結膜炎は、眼症状が軽減してからも感染力の残る場合があり、医師により伝染のおそれがないと認められるまで出席停止とする。

 急性出血性結膜炎は、眼症状が軽減してからも感染力の残る場合があり、医師により伝染のおそれがないと認められるまで出席停止とする。

 その他の伝染病とは、学校で流行が起こった場合にその流行を防ぐため、必要があれば、校長が学校医の意見を聞き、第三種の伝染病としての措置を講じることができる疾患です。特に明示されているわけではないので、主治医・学校に相談して下さい。