ホーム子育てひろば21子育て講演会>第3回>講演内容3

第3回講演会 ひとりでがんばらないで

聴くこと

きくって言う字がね二つありますでしょ、その二つの内の一つの耳をかいて難しい方の「聴く」って言う字ですね下に心がある、あの聴く気持ちを実は持とう と思ったわけです。一所懸命聴くと言うことは、その方の気持ちに共感していく、っていうことですよね、共に感じるっていうことです。これは同感じゃないで すよね、同感だと私もそう思う、そう思うって言う部分ですよね、でもその方の内面がほんとに見えてないし、ほんとの苦しみが話せないでいる状態でわかるわ かる言われたって、何がわかるのよって思うでしょ。私すごいあまのじゃくなんですよ、だから、そんなこと私、言って欲しくない、私同感はして欲しくない、 でも自分の言いたいことを理解して欲しい、それはずっと思ってましたので、共感する気持ちでお話を伺おうと、思ったわけです。同感という言葉に似た言葉で 同情というのがあるんですよね、大変だねとかね、もうすごいでしょとかっていって、辛いねーっとか言う、その上から見下ろしたようにして何か物事を言われ ることも皆さん嫌ですよね、で、それも、同情も違う、同感も違う、でも、共感ならきっと出来ると思ったんですけれども、実はそれも不安がありました。あの ね、聴くということ、それから共感するということにはね、とてもたくさんの勉強をこちら側がしなくちゃいけないんですよね。聴いて、共感して、その後みな さんの中で起きていく心の動きとか、それから考えをまとめていく段階も一緒に過ごしていくわけですので、こちら側が何の勉強もしていなければ、ただのお話 を聞く、井戸端会議でね、うんわかるわかるって言ってるおばさんになってしまうわけです。でも私達はせっかくこの場所をいただいて、お仕事をさせていただ いているならば、一所懸命勉強をして、しっかりと聴くということ、それから共感できるということっていうのは何なのか、知りたいと思ったわけです。それが すごく遅くて恥ずかしいですけど、3年目ぐらいからでした。なのでほんとはこの相談室は最初からそれが出来る人がいるべきだと、それも非常勤ではなくって しっかりと正職さんできちんとした体系の中でそれを聴いていく体制を取るべきだ、と今でもまだ実は思っています。

ちょっとね、この聴くなかで私が気が付いてきたこと、っていうのをねいくつか出してみたいと思います。私達の相談室では必ずみなさんからお話を伺ったこと は秘密を守ります外には出しません。それはもうお約束ごととしてみなさんにも申し上げています。お話しいただいた内容は出しません。ですので今日みなさん の前でお話しするのはそのままの話ではありません。少し個人のことだとわからないように変えますけれども、過度に修飾しているということはありません。か えって少し控えめにお話しすると思いますので、そのつもりで聴いてください。

まずね、一つ目です。私は出会ってお家の方とお話しするとすごく元気をいただきます。すばらしいなって思うんです、それはね、すばらしいっていう意味を ちょっと取り違えないでいただきたいんですけども、すごく理想に向かっていくすばらしい人、ってそういうことではないんです。ちょっとこの一つの例を挙げ させていただきたいと思いますけれども、ある健診で、1歳半の子どもさんを連れたお母さんがお見えになりました。どうもね、離婚しておられるようなんで す。子どもさんが家族づれをみると、とても寂しそうな顔をするっていうんです、お嬢さんがね、でその寂しそうな顔をするお嬢さんを見て、自分が選択を、こ の離婚を選択してお父さんという人を家族の中からなくしてしまったことは、私がいけなかったんだろうか、というお話を伺ったことがあります。さあ、みなさ んだったら、どういう風にお話を伺うかな。私、1歳半の子どもさんが浮かべる寂しい表情って、何かなって思ったんですよ、それでお母さんに、お母さんは子 どもさんの顔を見た時にどんな風に感じた?ってお尋ねしたんです。そのとき、家族づれを見かけた時にお母さん自身はどんな風に思った?っていう風にお尋ね したんです。でね、最初子どもさんの顔を見た時お母さんはほんとに申し訳なかったっていう気持ちを持ってしまったと、その家族づれを見た時に、お母さんが ね、寂しいなって思ったんですって、側にいて、家族がああいう風に何人もいていいなーって思ったんですって。

でそれをお母さんね、私は何も言わなかったんですよ。お話を伺っただけですよ。お母さんがしばらく考えておられて、「この子が寂しい顔をした時、私は自分 自身がすごく寂しかったです。それこの子きっと感じたんですね」ってお母さんの方からね、返ってきたんです。 私は何も言いませんでした。ん、ってきいて いたんですけれど、すばらしいなって思ったんですその時に。自分の心の中を見るっていうのはすごくつらいことだと思いますしね、でもその子どもさんの表情 を通じて自分の心の中をお母さんがしっかり感じてそれを初めてあった私の前で話してくださったんです。その後がまたすごかったんですよ。「私が寂しいと 思ってたらこの子が寂しいから、私はもう寂しいと思わないように、たくさんの友達とね話しながら行くようにします」とね。実はお友達からもその前にそうい うアドバイスをいただいていらしいです。「あなたが元気でいないといけないのよ」って。子どもさんをしっかりみてねっていう人は周りにいるかもしれませ ん。でもその方の友達ってすごいなーと思いました。おかあさんは友達にあなたが寂しいって思ってたり元気がなかったりするのはいけないから元気出そうねっ て励ましてもらってたんですって。そのことと私と出会って話をされたことの中からお母さんはもう自分で結論を出されてますよね、自分でこれからどうして いったらいいか、いこうかなってイメージをしっかりと持たれたと思うんです。これから先また迷って悩まれたりすると思うんですけども、誰から教えられたわ けでもなく、お母さんの中でその考えをまとめて行かれた、私は「聴く」と言うことはこういう事じゃないかな、と思ったんです。聴く場所と、時間と、ご自分 の気持ちを整理されるそういう所があることがいいのかな、と思ったわけです。

次のページへ