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第5回講演会 子どもが育つみちすじ

心もそうであって、身体的に生理的には間違いなく下り坂ですが、下り坂でありながら尚かつ人は20歳よりも30歳、40歳、50歳になることで、味わいが出てくる。

それは何かというと、20歳の時、分からなかったことが分かってくる、考えたことないことが考えられる。
たとえば病気、私もこの間階段から転げ落ちまして、足をずいぶん、半年ほど痺れて本当に歩くのが不自由をしたりいたしましたが、そんなこと、そういう意味 では、体の衰えが来たなということで老化現象だと。あーあとため息の三つほどもつかない訳ではないんですが、でも、足を傷ついたり、あるいは皆さん、病気 をなすったり、何かがあったり、目がだんだん見えにくくなったりする老化の中で気づくことがある。今までもう何気なく生きてきたことが、ひとつひとつ意味 が分かってくる。

自分の足がそれこそ階段をかけのぼっている時には、感謝のかの字もありませんでね、足が太いだの短いだの、ぶつぶつ文句ばっかりつけて、自分の体のことで も気にいらないこともいっぱいあったとしましても、本当に足が少し動きにくくなると、しげしげと自分の足を眺めて、ああーなんて私のような太った体をこの 足が支えてくれて、60数年もね。

「あーよく歩いてくれて、本当になんてけなげなんだろう」と思ったりしますと、今まで感じていなかったいとおしさのようなもの、ありがたさ、感謝、そして 階段上がりながら、昨日の私みたいなものがそばを駆け抜けて行くのを見ながら「ああ」ってため息をつきながらも、その時気づいていなかった一歩一歩の階段 が上がれるという、あるいは上がる時の大変さ、そして大変さをちょっと横を見ますと、同じような方がまた何人か一生懸命そろそろ歩いてらっしゃる方がある と、お互いにちょっと苦笑したりしながらも「頑張りましょうね」っていうようなことも言ったりもする。これは発達なんですね。

つまり、昨日までそういう人生の生き様というのは自分にはなかった。でも、新たなる感謝とか、新たなる思い、新たなるものの考え方が生まれてくる。 で、生まれてきたのは自分の中から生まれてきた訳ですね。自分が気づかない限り生まれてこない訳です。Un holding(アン フォールディング)ですね。
Un holdして隠されていたものが、細胞が立ち上がるようにね、自分の中で思いが立ち上がってくる。「あーそうなんだ」と気づく。
で、これを発達というならば、老いていく中で、むしろあちこちのマイナスを背負いいろいろなハンディを背負いながら、むしろそれを持っていなかった自分よ りもはるかに世界を深く、そして味わい深く眺めることが出来ます。若い時は若い時で、見えてない時は見えてない時で素敵です。明日見えるかもしれない。そ れも自分の内側から立ち上がる訳ですね。
そこがこのdevelopment(ディベロプメント)言葉の意味深さなんですね。
こういう種を見てますと、あさがおの種でもなんでも小さい種を見る。土中深く埋めますね。
水をやったりすると根が張って、その根を張るのも全部あの小さな種から張っていく訳ですね。
外から根っこって来る訳じゃありません、ひっつける訳じゃありません。
そして、小さな茎が出てきて、二葉が出て、そして1ミリ1ミリ、1センチ1センチ伸び上がっていきます。あのエネルギーは、すべてあの種の中にあります。
私たちが引きずりあげてね手で引っ張る訳でもなければ、何かを持ってきて糊で貼りつけた訳でもない、1ミリでも1センチでもこのそれぞれの生き物、植物、動物すべて自分で伸びる訳です。

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