第5回講演会 子どもが育つみちすじ
始め良ければ半ば良し、もう始めさえ良ければもう真ん中へんぐらいまで成功したものと思う、というのはアリストテレスの言葉と聞いていますが、始め良ければ半ば良し、という本当にそうだと思います。
なんとか最初の子どもとの出会いを乱雑に雑駁(ざっぱく)にしないことで、それはこれからお母さんになる中高生も含めてですが、子どもがこの世に誕生する 10ヶ月前に胎生期がありますね、お腹の中にいる。お父さんも一緒に子どもの誕生を待つ。そしていよいよ誕生の時間がきて出産の場面が繰り広げられます が、今も昔も人間の子どもというのはなかなか難産です。
随分医療技術が発達したように思いますが、出産そのものはなかなか苦しい、大変ですが、でも親たちは、自分で子どもを産み出すことが出来る。そして、自分 の子どもと生まれるまでの陣痛の間、お母さんは心臓の鼓動を一緒に聞きながら、心音を聞きながら、子どもが本当にギリギリのところでこの地上に出てくるた めの、苦しいお産の苦しみを親と子が共に繰り広げるドラマですね。
そして、子どもがこの世に生まれてきて、本当に飛び出すように生まれてきますね。ご経験なってらっしゃる親御さん、ご自分のお子さんのこと思い出してみて下さい。
そうしました時に、子どもはこの世に誕生して一番ね、その時に覚醒っていうか目覚めるんですね、子どもは。目も耳も何もみんな本当に生き生きと目覚めている、と新生児学者は言います。
で、たまたま私の孫二人が出産させていただいたドクターが、奈良のドクターなんですが、私のとっても尊敬する先生で、二人の孫娘の出産場面を見まして、私は大変感動しました。
けれども、彼が自然出産、育児ということを提唱していらっしゃる方で、この世に生まれてきますね、そして、普通はへその緒切って、きれいに産湯をつかわせ て計測してね。頭まわりなんか、こんなはちまきして、いちいち頭周り計って、子どもさんちょっと見せて、「かわいい子どもさんですね」ってみんな言いなが ら、もうどっか連れ去って新生児室で大事にというのが多くのスタイルですねェ。お母さんたちはフランス料理食べたり、なんかきれいな気持ちいいところで音 楽聴いて、ホテルのようなところで出産って夢見ていますね。
あるいは、非常に医療技術の発達しているところは、アメリカなんかもそうですが、割合産痛を弱めるためのお薬が入ったりしますね。医療管理、管理下におか れる、こんなに勿体ないことはないと、彼は大阪府の目玉の施設の最初の産科部長ですけれど、彼自身が何かおかしいと、もちろんハイリスクの子どもたちがい ましてね、小さく生まれるお子さんとか、弱いいろんな意味で非常に危険度の高い親御さん、子どもさんには医療の手が必要だけれども、ほとんど多くの健康な お母さんたちは、自然な分娩の中で自分の痛みも含めて苦しみも含めて、子どもと一緒に越えていく、そして、子どももお母さんとともに越えていく、そして生 まれた瞬間にね、私のその孫娘たちも、私は彼と話ながらなかなか出産が進みませんで、私の長女が、それで、同期の桜みたいに次々次々沢山生まれるところで すから、あとから来た人がオギャーと生まれていく中で、一人時間がかかりましてね、大変苦しかったと思いますが、生まれてきて本当に自然の中で生まれてき て、そして、ピョーンとね、胸の上に乗っけるんですね。へその緒を切らないで、まずね。
ものすごい大きな強いへその緒ですね。産声があがって、そして、お父さんが駆けつけてたまたま、お父さんが忙しいんだけど出産の瞬間に二人の娘たちの時、 いたのが私は大変嬉しかったのですが、駆けつけてすぐ生まれたての本当にもう1分後ぐらいの赤ちゃん、何秒かの赤ちゃんに出会う。そして、声をかける。
で、母親が私の娘が、最初に声をかけたのが「ごめんね、長くかかって」って、自分の娘に言っている。立派な娘だと私は褒めてるんじゃないんですよ。「あー母の声だなっ」っと思うんですね。
自分も大変だった、でも、心音を聞きながらずーっと何十時間も一緒に、ひとつひとつ息をする時間を共有し合いながら、時間がかかって生まれてきて、そし て、我が子が胸の上にポンとね乗っかって、そして、一時間ほどその先生は絶対に産湯なんかつかわせない。そんなのいつでも出来ますから、どうぞってポンと 乗っけてね。そうすると、もう黒目がちの目をもう真っ直ぐに開きます。そして、お母さんの顔をじーっと見ます。この世で初めて見る顔ですよね。そして、声 を聞く、臭いがある、味がある、なめてね味がある。そして、すこーしこうやってね這い上がります。
哺乳動物の常で、ほふくっていうんですがね。一時間ほどお母さんの胸の上に乗って、素晴らしい出会いだと思います。
