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第5回講演会 子どもが育つみちすじ

禁止区域に私たちはすぐ入ります。でも、これをペケだと教えられた人は幸いです。胸がチクチク痛んでますから。
 私、大変有名な幼稚園の先生と対談しましてこの話をしたら、彼が、日本の有名幼稚園の先生で、お坊さんのお子さんで、ご自分もお坊さんなんですけども、
「先生の話聞いてて、僕も子どもの時、カエルとかトンボとかね、男の子ですから、面白がってペッと潰したり羽根をちょん切ったり、もういたずらっ子で、そ んなことばっかりして、見つかったらお父さんに叱られて、蔵に入れられて、蔵の中でおしっこしたり、泣いたりわめいたり、もう出してくれー」って。
出してもらったらまたすぐその足でまたやって、また入れられて、また捕まってもうずーっと叱られました。」
「で、先生いつまでですか?」
「小学校5年まで、カエル殺してました」
「小学校5年までこうやってやってたの?」
「そうです、もういつもこうやってつぶして、もうなんとなくカエルをつぶして、ヘェーこんな体なんだこうなんだ」
面白かったかどうかは知りません。男の子のカエルやらトンボやらをいじるのは、男の子同士の面白さなんでしょうね。でも、毎回毎回蔵に入れられてもへこた れずにやっていた彼が、「ある時止めました」とおっしゃいました。いい話だなあと、私はそう思ったのは、ある時止めるんですね。それは、自分の中にそこま で成熟するんです。そして、人が見ていても見ていなくても、やっぱり、本当にあの小さなカエルという生き物の痛みとか悲しみとかが、自分の手足がもぎ取ら れることを想像して、トンボの羽がちぎれることを思うかもしれませんね。そうなった時に本当に内なるモラルが発達します。たどり着きます。で、それまで は、見てるか見てないかでだいたい子どもは判断して、しかし叱られることを思ってチクチク胸が痛むっていう経験を、ずーっとさせる必要があります。
そして、ある時自分に気づかせる、気づいて自分が止める日がくる。だからそう思って幼稚園の先生や親御さんに申し上げるんですが、言ったからすぐにするな んてそんなこと考えちゃいけません。で、した子がりっぱだと考えちゃいけません。単にお母さんの顔色を見ている子で、それもそれで大事ですけどね。人の顔 色を見るというのも能力ですからね。
現実吟味力といって重要な能力ですから。現実を吟味する力がなかったら生きられませんもん。
年中人に騙されてばっかりいますからね。大事なことですが、といってモラルとは言いません。
私は、モラルというのは、本当に内側が育たないとないものです。道徳というのはね。
だけど、その最初は4,5歳の時にね、丁寧に叱ること。付録をつけないこと。“あんたはいじわるだ”とかね、あるいは“思いやりがない”とか、“どうしてそんな人の気持ちがわからない”
気持ちなんか、この際関係ない、人の気持ち関係ない、自分の気持ちだけですから。そんな付録をつけると、子どもはそれに傷つきます。それに何を叱られたか分からなくなります。
「人の物を取っちゃいけません、あるいは叩くには、きっと理由があると思う、それはもう胸にいっぱいあると思う。でもね、どんな理由があっても人の頭をい きなり叩いちゃいけないの。これは覚えるしかないの。だから、どんなに年月がかかっても覚えていけばいいことだからね。心配しなくてもいいよ。またやった ら必ず注意してあげるから、ご心配なく」と。

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